マラ立ちぬ

風俗に行くオタクです

出会い系で会ったナオンに5万円騙し取られた話④

第三章 一人の夜 大阪の朝

 

〜1時間後〜

彼女が帰ってくることはありませんでした。

 

 3.1 五万円の酒、五千円の涙

これが俗に言う飲み逃げというやつです。そんなに私の顔がお気に召さなかったのでしょうか、悲しいです。。。まぁこの際私の顔の悪さは置いておくとして(置いてはおけない顔悪さはなのですが)、問題はいくら払わされることになるのかということです。

ベル・エポックのお値段は前述の通り。これに店頭価格分が加算され、さらにチャージともう二杯分の値段と考えると3,4万くらいはかかるでしょう……

下手をすると、あのアマと店がグルである可能性すらあります。ここに来て怖いお兄さんが出てきたらどうしよう、身分証明書を取られたらどうしよう、そんな気持ちがグルグルと頭を巡ります。

 

考えても仕方ありません、とりあえずお会計をお願いします。

渡される伝票、そこに書かれたお値段は──

5万5千円

 

(๑´•.̫ • `๑)

(๑´•.̫ • `๑)

(๑´•.̫ • `๑)

 

ま、まぁね、払えない額ではないんです、ないんですけど……

 

内訳を確認します。

ベル・エポック 5万円

(´Д`)ハァ…(クソデカため息)

 

まぁこんなものでしょう。値段はそこそこ妥当なのかなと。あと、お店が暴利をふっかけてこなくてよかったです。よかった……のか?

 

手持ちのお金では到底足りそうもないのでクレジットカードでお支払い。バーテンのお兄さんに泣きついたら5千円はマケてくれました、涙の価値は5千円です。モンハンで武器を作るときに必要になるかもしれませんよ、軍曹の涙。

 

3.2 涙のあと(all quartets lead to the?)

かくして目から5千円を流しながらお店を後にします。

 

大阪の夜は、あまりに寒く、あまりに静かでした。

いったいどこで間違えてしまったのでしょう。気持ちはエロゲの選択肢を考えるときのそれになります。オタクと別れず京都にいればよかった、そも出会い喫茶に行かなければよかった、路上でナンパすればよかった、別の出会い系を使えばよかった、メッセージに気が付かなければよかった、無視すればよかった、HUBに行けばよかった……考えれば考えるほど、気持ちは沈んでいきます。そんな思考から逃げるようにして足取りは早くなり、気がつくと宿たるネットカフェに着いていました。

 

ネカフェのシャワーを浴び、さぁ眠ろうとするも眠れず、吐くこと数度、気持ちはさらに沈んでいきます。そんな私のことを、ネカフェの卓上ライトに照らされた5万円の領収書は、じっと、じっと見つめて来ているのでした。

 

──気がつくと、浅い眠りをしていたようです。なぜ自分は起きてしまったのか、このままずっと眠っていれば幸せだったのかもしれない。いっそ夢ならばよかったのに。そんなぼんやりとした思考を巡らせていると、私が目を覚ました理由が分かりました。

隣のボックスのカップルが、フェラをしていたのです。

 

はじめは、かすかな話し声と、どこかで聴いたことのある水音でした。それに耳を傾けると、それは紛れもない口淫行為。聞き間違いようがありません、昨年何回この行為のためにお金を払ったと思っているのでしょう。時間は午前4時30分、私のブースには聞き慣れたチュパ音が響いていました。

 

空調の音に紛れ聴こえるチュパ音。

それに加わる男の吐息。

男女の衣擦れの音。

そして隣のオヤジのイビキ。

これらが奏でる四重奏。

 

世界で一番の『悲愴』を子守唄にしながら、私は逃げるようにして目を閉じます。

ぎゅっと、ぎゅっと目を閉じます。

 

どうして私はあれになれなかったのか。

どうしてこんな目にあわなければならないのか。

どうして、どうして、どうして……

 

嗚呼、この世界は嘘と不平等でしかないんだなぁ……

 

そして私は意識を失いました。

 

3.3 ラグナレクの接続

────これが私の人生で一番辛い夜の物語です。

 思うところは色々あります。ありすぎるくらいに。

自分の浅はかさへの後悔、あの女性への憤り、ひいては遍く女性という存在への不信感、人の業の実感、世を厭う気持ち……色々な感情が今でも整理できていません。

 

嘘のない世界をつくりたい、シャルル・ジ・ブリタニアさんの言うことが分かってしまった瞬間でもありました。

 

さて、ここまでお付き合いいただいた皆様には大変な謝辞を申し上げると共に、どうかこのようなことがないよう私を反面教師にしていただきたく思います。

そうは言っても、出会い系で女性に会うなんてことはないし、そんなにマヌケなことはしないぞ、と皆さんが仰っている姿が目に浮かびます。

今回の件は私の責任たる部分も大きいことは確かですが、同様に確かなのはこの世界には明確な悪意を持つ人間、また悪意を悪意と思わないような人間がいるということです。

そして我々は、そんな人間たちはどこか遠くの世界にいると思いがちです。しかし、彼ら彼女らはすぐ近くにいるのです。

ちょっとした偶然、ちょっとした気の緩み、ちょっとした事故で、彼らと我々の世界は交差します。

どうか皆さん、そんな悪意へのセンサーを敏感にして、悪意から身を守ってください。また、悪意に曝され、気持ちが沈んだときは、私と共に気持ちを強く持ちましょう。

 

そして何より、そんな悪意が皆さんに降りかかることがないよう願い、このレポートの締めとさせていただきます。

 

それでは皆様、よい夜を。

 

from 軍曹 (2018 / 3 / 5)

 

 

P.S.

励ましにランチを奢ってくれたオタクさん、赤福を買ってくれたオタクさん、ありがとうございました😭